STAFF NOTE 22 / PART II ことばとコミュニケーション / 3段階解説

言語獲得のプロセスってなあに?— げんごかくとく/Language Acquisition —

一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。 各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1 ことばは「階段をのぼるように」育つ 小学生・保護者向け/全容ざっくり

かんたんに言うと

言語獲得とは、赤ちゃんが少しずつ「ことば」を身につけていく道のりのこと。 いきなり話せるわけではなく、聞く→声を出す→まねる→意味とつながると順番に育ちます。

赤ちゃんが 目を見て笑う・指をさす のも、ことばの大切な芽。 「あー」「ばぶ」のおしゃべりは、話す練習そのものなんです。

なん語 指さし はじめのことば ことばがふえる 2語をつなぐ おはなし

療育アプローチ① ことばの芽を育てる

急がず、「伝わって嬉しい」体験をたっぷり重ねることが土台です。

  • 子どもが見ているものに 同じ目を向けて 名前を添える
  • 声・指さし・しぐさに すぐ笑顔で返す
  • 言い直しを求めず、正しい言い方を そっと隣で見せる
LEVEL 2 「話さない」前のサインを読み解く スタッフ・支援者向け/現場で活かす

気づきたい子どものサイン

ことばが出る前から、伝えたい気持ちは育っています。 発語の有無だけでなく、やりとりの土台が育っているかを観察します。

  • 目が合う・人と一緒に同じものを見る(共同注意)
  • 欲しいものを指さす・手を引いて要求を伝える
  • 身ぶり・声・表情でやりとりが続く
  • 「ことばが遅い」=伝える方法を探しているサインと読む
  • 聞こえ・口の動き・全身の発達も合わせて見る

療育アプローチ② 視覚で伝え方を整える

  • 絵カード・写真・実物提示で「ことば=意味」を結ぶ
  • 視覚スケジュールで流れを見せ、やりとりを予測可能に
  • 要求を サインや指さし で形にし、成功体験を増やす
  • 体操コースの活動名を カードで提示し、ことばと動きを連動
  • 一足とびを避け スモールステップ で次の段へ
LEVEL 3 獲得理論・言語の4側面・発達指標との接続 専門職・ST/OT連携/次へつなぐ

理論的背景と評価の視点

発達は 喃語初語一語文語彙爆発(1歳半頃)→ 二語文と進む。言語は 音韻統語意味語用 の4側面で捉える。

発達指標として 平均発話長(MLU) が用いられる。 生得的な Chomsky(LAD) に対し、近年は Tomasello用法基盤理論 が 共同注意・社会的やりとりを語彙獲得の駆動力と位置づける。

音韻 統語 意味 語用

療育アプローチ③ アセスメントと連携

  • 表出語彙だけでなく 理解語彙・前言語的やりとり を評価
  • 共同注意・要求/叙述の機能を 語用面 から記録
  • ST連携指標:構音の誤り・MLUの停滞・理解と表出の乖離
  • OT連携:口腔機能・全身の発達と発声基盤を合わせて評価
  • TEACCH構造化 × Low Arousal設計で 発信しやすい環境 を整える
  • 個別支援計画に「次の一段」を共有目標として明記