一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
愛着は「この人がいれば大丈夫」という心の土台
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
愛着とは、「この人といれば安心できる」という特別なつながりのこと。
こわいことや不安なことがあったとき、大好きな人にぎゅっと抱きしめてもらうと
ほっとして、また元気に遊びにいける——あの気持ちが愛着です。
愛着は 「安心 → 探検 → また安心」 をくり返しながら、
毎日のやりとりの中でゆっくり育っていきます。
不安・泣く▸
そばに行く▸
受けとめてもらう▸
安心する▸
また遊びにいく
療育アプローチ① 安心の土台をつくる
まずは 「困ったら助けてもらえる」体験 をたっぷりと。
- 泣いたり甘えたりを「わがまま」とせず、まず受けとめる
- 抱っこ・スキンシップ・同じ遊びの反復で「いつもの安心」をつくる
- 「いってらっしゃい」と送り出し、「おかえり」で迎える往復を大切に
LEVEL 2
愛着の表れ方には「4つのタイプ」がある
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
4つの愛着の表れ方
安定型
不安なとき頼り、慰められると落ち着き、また遊びにもどれる。
回避型
つらくても頼らず一人で抱える。平気そうに見えて実は緊張。
抵抗型
甘えたいのに素直になれず、慰められても切り替えにくい。
混乱型
近づきたいのに怖い。行動がちぐはぐで読み取りにくい。
大切な視点:頼ってこない・試し行動が多い子も、
「困っているサイン」と読み替えて、こちらから安心を届ける。
療育アプローチ② 安心できる関わりの設計
- 共同調整:子どもが崩れたら大人が穏やかさで包む(Low Arousal)
- 担当・流れ・場所を一定にし「予測できる安心」を用意
- 試し行動は「信じていい?の確認」と受けとめ、一貫して応じる
- 体操6コース:ボールプールやスカーフ遊びで情緒を安定させる
- 「できた!」を一緒に喜び、小さな成功体験を積み重ねる
LEVEL 3
愛着理論・安全基地・内的作業モデルとの接続
専門職・心理職連携/次へつなぐ
理論的背景と他概念との関係
愛着理論は Bowlby が提唱し、
子どもが養育者を 安全基地として外界を探索する生得的システムと捉える。
Ainsworth は ストレンジシチュエーション法で
再会場面の反応を観察し、愛着スタイルを類型化した。
反復される応答経験は 内的作業モデルとして内在化され、
安定型・回避型・抵抗型・無秩序型の個人差を生む。
自己・他者像の鋳型となり、後の対人関係を方向づける。
発達障害に伴う関わりにくさによる二次的な不安定さと、愛着障害
(ネグレクト等の養育環境に起因)は 区別して評価することが重要。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- 分離・再会・移行場面を 観察記録し、心理職と仮説を共有
- 個別支援計画に「安全基地となる大人・場所」を明確に位置づける
- 感覚調整の困難が情緒不安に重なる例はOTと連携して評価
- Floortime的に 子ども主導の遊びで情緒交流の土台を育てる
- 家族支援:保護者の安心感(養育者自身のケア)も支援対象に含める
- 養育環境要因が疑われる場合は要保護の視点で関係機関と連携