一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
注意は「心のスポットライト」
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
注意とは、たくさんの情報の中から「いま見るところ」を選ぶ心のスポットライト。
まわりは音も光もいっぱい。その中から大事なものだけを照らす力です。
スポットライトには 4つの使い方 があります。
① ひとつに 向ける ② 続ける ③ 切りかえる ④ 同時に2つ見る
向ける
続ける
切りかえる
2つ同時
療育アプローチ① 集中の土台をつくる
「集中しなさい」より、照らしやすい環境を先に整える。
- 机の上は使う物だけに。余計な刺激を片づける
- 「これが終わったら次」と ひとつずつ 見せる
- 短い時間で区切り「できた!」をこまめに
LEVEL 2
注意には「4つのタイプ」がある
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
4タイプと観察視点
選択性=必要な刺激を選ぶ/持続性=続ける/
転換性=切りかえる/分配性=同時にこなす。
「困った」を「○○のサイン」と読み替える:
- 気が散りやすい=選択性が育ち途中のサイン
- すぐ飽きる=持続性の容量に合っていないサイン
- 切りかえが苦手=転換性に見通しが要るサイン
- 聞きながら書けない=分配性に負荷が高いサイン
療育アプローチ② 施設での実装
- 物理的構造化:壁向き席・仕切りで照らす対象をしぼる
- 視覚スケジュール:切りかえ前に「次」を予告し転換を支える
- ラダー・フープ:色や順番を見て動く認知運動課題
- スモールステップ:持続できる長さに課題を分割
- 聞く/書くは 分けて 提示し分配の負荷を下げる
LEVEL 3
注意ネットワーク・覚醒・実行機能との接続
専門職・OT/ST連携/次へつなぐ
理論的背景と神経基盤
注意は 選択性・持続性・
分配性・転換性 に分類され、
Posner の 注意ネットワークモデルでは
Alerting・Orienting・Executive Control の三系統で整理される。
土台には 覚醒(arousal) があり、過覚醒・低覚醒のどちらでも
刺激の取捨選択が乱れる。ADHD は注意の
制御と実行機能の調整課題として理解され、
評価には CPT や Conners 等が用いられる。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- 環境刺激の 段階的調整 で選択性の負荷をコントロール
- 課題前に 覚醒を整える(前庭・固有受容の入力で最適化)
- Low Arousal設計:低刺激空間は注意資源の節約と同根
- OT/ST相談指標:覚醒変動・聴覚処理・ワーキングメモリ負荷
- 感覚統合・実行機能支援と 補完的 に個別支援計画へ統合