一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
ASDは「世界の感じ方・伝わり方がちょっとちがう」こと
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
ASDとは、まわりの感じ方や、気持ちの伝え合い方が「みんなとちょっとちがう」 特性のことです。
だめなところではなく、その人ならではの「世界の見え方」。
音やひかりが強く感じられたり、好きなことにとことん集中できたりします。
たとえば いつもと同じ順番だと安心する、電車や数字のことならだれより詳しい——
そんな「らしさ」もASDの大切な一部です。
音・光に敏感
好きに夢中
同じが安心
正直・まっすぐ
療育アプローチ① 安心できる伝え方をつくる
- 言葉だけでなく 絵・写真 で「次はなにをするか」を見せる
- 家でも 1日の流れを見える化 して見通しをつくる
- 苦手な音・光は減らし、好きなことは思いきり伸ばす
- 「ちがい」を直すのではなく 強みとして大切にする
LEVEL 2
「困りごと」は"特性のサイン"として読み解く
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
気づきたい特性のサイン
困った行動として見えるものも、本人なりの理由がある特性のサインとして読み替える。
- 急な予定変更で混乱 = 見通しを大切にするサイン
- 視線が合いにくい・会話がかみ合わない = やりとりの仕方がちがうサイン
- 同じ遊びを繰り返す・こだわる = 安心と興味の深さのサイン
- 耳ふさぎ・偏食・触感の拒否 = 感覚の感じ方がちがうサイン
療育アプローチ② 施設での環境と関わり
- TEACCH構造化:場所・順番・終わりを視覚スケジュールで明示
- Low Arousal設計:刺激を抑えた空間で感覚の負担を減らす
- 体操6コース:好きな感覚から入り、スモールステップで挑戦
- 予定変更は 事前に視覚で予告 し、見通しを保つ
- 個別支援計画に 強み・興味 を起点として書き込む
LEVEL 3
スペクトラムとして捉える神経発達の多様性
専門職・OT/PT/ST・医療連携/次へつなぐ
診断基準と理論的背景
DSM-5 はASDを2領域で定義する:
社会的コミュニケーションの違い と
限局的・反復的な行動や興味(RRB)。後者には 感覚特性 も含まれる。
Lorna Wing の 3つ組 を統合し、明確な境界ではなく
スペクトラム連続体 として記述する点が要点。
歴史的には Kanner(1943)と Asperger(1944)の報告に始まる。
今日は ニューロダイバーシティ の視点が主流で、
集中力・記憶・誠実さ・規則性といった 強み を前提に支援を設計する。
療育アプローチ③ 評価と多職種連携
- OT:感覚プロファイル評価で過敏/低反応を整理し環境調整へ
- ST:表出・受容・語用論を評価し、視覚・代替手段を補完
- PT:協調運動・姿勢の特性を体操コースの段階づけに反映
- 医療連携:併存(ADHD・知的特性・睡眠・不安)を視野に情報共有
- 合理的配慮:本人の 自己理解と意思決定(QOL) を中心に据える