一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
「読む・書く・計算」の一部だけが苦手なこと
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
SLD/LD(限局性学習症)とは、頭の良さは年相応なのに、「読む・書く・計算」のどれか一部だけがとても苦手 なこと。
がんばりや練習が足りないわけではなく、情報の受け取り方・処理のしかたが少しちがう だけです。
メガネがあれば見えるように、合うやり方が見つかれば、ちゃんと力を発揮できます。
苦手は3つの方向に分かれます。
読むのが苦手
書くのが苦手
計算が苦手
療育アプローチ① 「やり方」を選べる安心を
苦手をなくすより、得意な入口を一緒にさがす のが出発点。
- 本は 読み聞かせ・音声でも楽しめると伝える
- 書くのが大変なら 消しやすい紙・大きいマスを使う
- 「字がきたない」を責めず、伝わった中身をほめる
- できた所に丸を。苦手な所だけ手伝う
LEVEL 2
「努力不足」に見えるサインを読み替える
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
気づきたい子どものサイン
口頭ではよく分かるのに 読み書き課題でだけつまずく ときは、努力ではなく特性のサインかもしれません。
- 音読で 文字や行をとばす・たどり読みになる
- 「鏡文字」「形の似た字」を書きまちがえる
- 板書の 書き写しに時間がかかり最後まで届かない
- 数の 大小・繰り上がりでくり返しつまずく
- 勉強場面でだけ 自信のなさ・回避が強く出る
療育アプローチ② 環境と教材を整える
- 課題は スモールステップに分け、量より達成感を優先
- 余白を多く刺激を減らした 視覚的構造化のプリント
- 分かち書き・行間広めなど 見やすさの調整を試す
- 個別支援計画に 「合う方法」を記録し共有する
LEVEL 3
診断基準・神経基盤・代替手段と連携
専門職・ST/OT・教育連携/次へつなぐ
診断的理解と3つの領域
DSM-5では Specific Learning Disorder として一元化され、
全般的知的水準との乖離(知能は保たれるのに特定の学習技能のみ著明に低い)を中核とする。下位は3領域。
読字
Dyslexia
音韻認識の弱さ
書字
Dysgraphia
書字表出の困難
算数
Dyscalculia
数概念・計算
療育アプローチ③ 評価・代替手段・連携
- 標準化検査で WISCと 学習到達度の乖離を確認
- ICT(音声読み上げ・タイピング・電卓)を 合理的配慮として位置づける
- ST=音韻・読み書き、OT=視知覚・書字運動を分担評価
- 二次障害(自己肯定感低下)予防を QOL指標で共有
- 学校・医療と 個別の教育支援計画で連続性を確保