一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
「ゆっくり育つ・自分のペースがある」という特性
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
知的発達症とは、考えたり覚えたり、毎日のことを自分でこなす力が、ゆっくり育っていく という特性のこと。
できないのではなく、わかる速さやちょうどいい量が、その人それぞれ なのです。
一歩ずつ・くりかえし伝えると、ちゃんと身についていきます。
得意なこと・好きなことは、だれにでもたくさんあります。
やさしい
こつこつ
まじめ
好きに夢中
マイペース
療育アプローチ① 「できた」を一緒に増やす
家庭では 小さく分けて・ゆっくり・くりかえし が合言葉。
- やることを 1つずつ 短い言葉と絵で伝える
- 「できた!」をその場でいっぱい一緒に喜ぶ
- 急がせず、本人のペースの成功を待つ
- 好きなこと・得意なことを入口に誘う
LEVEL 2
「知的機能」と「適応機能」の両面でとらえる
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
困りごとを「サイン」に読み替える
理解の速さ(知的機能)だけでなく、生活の中でこなす力(適応機能)の両面で見るのが大切。
つまずきは「できない子」ではなく、支援の量・伝え方を調整するサイン です。
- 指示が通らない=一度に伝える量が多すぎるサイン
- 同じ失敗をくり返す=手順の見える化が足りないサイン
- 切り替えにくい=見通しが立っていないサイン
- 身辺自立が進みにくい=スモールステップ化の余地がある
- 抽象的な話で固まる=具体・実物で示すと伝わりやすい
療育アプローチ② 施設での関わりと環境
- TEACCH構造化:手順を写真・絵カードで一目に
- スモールステップ:課題を分け、達成を可視化
- 体操6コース:成功体験を体で重ねる(マット・ラダー等)
- Low Arousal設計:刺激を減らし「わかる」に集中できる場へ
LEVEL 3
DSM-5の診断概念と「必要な支援の程度」
専門職・医療連携/次へつなぐ
診断概念とニューロダイバーシティ
DSM-5 では 知的機能(推論・学習等)と
適応機能 の両方の制約で定義され、重症度は IQ値ではなく
必要な支援の程度(軽度〜最重度)で記述される。発達期の発症が要件。
適応機能は 概念的・社会的・実用的 の3領域で評価する
(AAIDD モデルと整合)。診断名は欠陥ではなく特性の説明であり、
合理的配慮 と できることに着目 する視点を前提に運用する。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- 知能検査(WISC等)+ 適応行動尺度(Vineland-II) を併用評価
- 環境因子を含む ICF 視点で「支援で広がる力」を記述
- OT/ST連携:微細運動・コミュニケーション手段(AAC含む)を補強
- 医療連携:併存する てんかん・感覚特性 の有無を共有
- 個別支援計画に 強み・芽生え反応 を起点とした目標を設定