一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
TEACCHは「世界をわかりやすく整える」考え方
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
TEACCHは 自閉症のある人に世界をわかりやすく伝える ための考え方です。
言葉で何度説明されてもピンとこないことも、「目で見てわかる」 ようにすると、
すっと伝わることがあります。
活動の前にこの 5つ を見える化するのが基本です。
いつ?
どこで?
なにを?
どれくらい?
終わったら?
※「治す」のではなく「自閉症の文化を尊重して、こちらが伝え方を整える」のがTEACCHの哲学。
療育アプローチ① 絵と写真で伝える
- 言葉で言う前に 写真・絵カード を出す
- ロッカー・席にマークを貼って「自分の場所」を見える化
- 1日の流れを 視覚スケジュール で見せる
- 「あと◯回」「これで終わり」を視覚で伝える
LEVEL 2
構造化には4つの柱がある
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
4つの構造化
① 物理的構造化
場所の意味を空間で明確化。エリア分け・仕切り・色ゾーニング。
② スケジュール
時間の流れを視覚化。順番・終了・次への移行を予測可能に。
③ ワークシステム
「何を/どれだけ/終わったら何」を一目で。左から右、上から下。
④ 視覚的構造化
教材・課題そのものを構造化。明瞭性・組織化・視覚的指示。
大切な姿勢:「困った行動」をなくす発想ではなく、
本人の強み(視覚優位・規則性への愛着・興味)を活かす 発想で組み立てる。
療育アプローチ② 施設での実装
- 物理的:床色で活動エリアを明示(くれよん施設の床長尺シート)
- スケジュール:個別の絵カード・写真スケジュール
- ワーク:左→右の課題箱、終了箱の徹底
- 視覚的:余白を多く、刺激を減らした教材
- 個別評価に基づき 一人ひとりの構造化レベル を調整
- 「うまくいかない=構造化が合っていない」と捉え直す
LEVEL 3
自閉症の文化を尊重する生涯発達モデル
専門職・施設設計/次へつなぐ
理論的背景と他アプローチとの関係
1972年、Eric Schoplerらが米ノースカロライナ大学(UNC)で開始した
生涯にわたる包括的支援システム。中核思想は
Autism Culture(自閉症は治療対象ではなく尊重すべき文化)と
Structured Teaching。
ABAが 行動を変える 介入であるのに対し、TEACCHは 環境を整える 介入。
両者は対立ではなく補完関係。評価には PEP-3(児童期)・
TTAP(青年期以降)が用いられる。
現在は ニューロダイバーシティの文脈とも親和的で、強み・興味を起点とした
自己決定的な人生設計(QOL重視)へと展開している。
療育アプローチ③ 施設設計と低刺激の統合
- ぴょんぴくれよんの床長尺シート色ゾーニング・壁色計画は物理的構造化の実践
- TEACCH × Low Arousal設計:構造化+刺激最小化は理論的に同根
- 個別支援計画にPEP的視点(強み・興味・芽生え反応)を統合
- 家族支援への展開:家庭でも構造化を持ち帰れる素材提供
- 学齢期移行:学校との連携で構造化を継続させる視点
- 誤解への対処:「TEACCH=絵カード」ではなく、個別性に基づく環境調整の総体