一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
視覚支援は「言葉のかわりに目で見せる」こと
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
視覚支援とは、伝えたいことを「目で見てわかる形」にして見せる こと。
言葉は耳に入ってもすぐ消えてしまいますが、絵や写真は そこに残って何度でも確認できます。
おうちでも自然に使っています。
冷蔵庫に貼った 「やることリスト」 や、料理の レシピ写真 も立派な視覚支援です。
えカード
しゃしん
もじ・メモ
スケジュール表
療育アプローチ① 見せてから伝える
- 口で言う前に 写真や絵カード を一緒に見せる
- 朝の支度を 順番の絵 にして玄関に貼る
- 「あと◯回」「これで終わり」を 指で見える化
- うまく伝わったら、その絵を「お気に入り」として残す
LEVEL 2
視覚支援は「抽象度」を子どもに合わせる
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
4つの抽象度レベル
① 実物・具体物
最も伝わりやすい。本物のコップ=「お茶の時間」。
② 写真
その子の持ち物・場所を撮る。具体性が高く誤解が少ない。
③ 絵・イラスト
汎用性が高い。線がシンプルなほど伝わる。
④ 文字
読字が育った子へ。写真+文字の併記から始める。
読みのサインとして:カードを払いのける・見ない時は
抽象度が高すぎる 合図。一段下げて実物や写真に戻す。
療育アプローチ② 施設での実装
- 場所:ぴょんぴの床長尺シート色ゾーンに合わせ、エリア表示も同色で統一
- 時間:体操6コースを写真カードで「今→次」と提示
- 手順:マットのくま歩き等を 絵の手順書 にして掲示
- 余白:1枚1情報。背景を減らし主役だけを際立たせる
- その子専用のカードを 個別支援計画 に綴じて共有
LEVEL 3
視覚優位特性と構造化理論への接続
専門職・OT/ST連携/次へつなぐ
理論的背景と評価の視点
視覚支援の根拠は、自閉スペクトラム症にしばしば見られる
視覚優位(聴覚情報より視覚情報の処理が優位)にある。
消えゆく聴覚刺激を 恒常的な視覚刺激 に置換することで、
ワーキングメモリ負荷を下げ予測可能性を高める。
TEACCH の 視覚的構造化では、
明瞭性・組織化・視覚的指示が三要素。提示物の 抽象度(実物→写真→線画→文字)は
PEP-3 等の評価で把握した認知・象徴機能の水準に整合させる。
ST領域では AAC・PECS と地続きで、
表出コミュニケーションの足場にもなる。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- STと 象徴理解の段階を共有し、提示物の抽象度を決定
- OTと 視覚認知・走査(スキャニング)の特性を確認し配置を調整
- 視覚スケジュールを 表出(要求カードの手渡し)へ橋渡し
- Low Arousal設計:視覚刺激も最小化し、主たる情報だけを残す
- 誤解への対処:「視覚支援=絵カード」ではなく、個別性に基づく情報の見える化の総体