STAFF NOTE 58 / PART VI 療育の方法論 / 3段階解説

スケジュール提示ってなあに?— すけじゅーるていじ/Visual Schedule —

一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。 各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1 スケジュール提示は「これから何があるか」を見せること 小学生・保護者向け/全容ざっくり

かんたんに言うと

スケジュール提示とは、「いま何を・つぎに何をするか」を絵や写真で見せて、先の見通しをつくる こと。 初めての場所で予定表があると安心するのと同じで、見通しがあると気持ちが落ち着きます

順番に並べて、終わったものから外していくのが基本。

あさのかい たいそう おやつ あそび かえる

療育アプローチ① 家庭でも見通しをつくる

  • 朝の支度を 絵カードで順番に 並べて見せる
  • 「終わったらお片付け」など つぎの予定 も一緒に出す
  • 終わった絵カードは 裏返す・箱に入れる で「おしまい」を明確に
  • 言葉でせかす前に、まず予定表を 指さして伝える
LEVEL 2 提示の「形」と「終わり」を子どもに合わせる スタッフ・支援者向け/現場で活かす

提示レベルと観察視点

理解しやすさは子どもごとに違う。具体物→写真→絵→文字と段階があり、 「今わかる形」より一段やさしい所から始めるのが安全です。

困りごとを"サイン"に読み替える:

  • 切り替えで固まる=次が見えていないサイン
  • 活動を終われない=「終わり」が曖昧なサイン
  • 急な予定変更で混乱=伝え方の工夫が必要なサイン

療育アプローチ② 施設での運用

  • 個別スケジュール:理解度に応じ写真/絵/文字を選ぶ
  • 終わりの明確化:終了カードを「おしまいポケット」へ
  • 移行の予告:体操6コースの次コースを先に提示
  • 場所と連動:ぴょんぴの床色ゾーンと予定を結ぶ
  • 変更は 「?カード」で予告し、Low Arousalに静かに伝える
LEVEL 3 見通し・移行支援とTEACCH構造化の接続 専門職・OT/ST連携/次へつなぐ

理論的背景と他アプローチとの関係

視覚スケジュールは TEACCH(Schopler, UNC)のスケジュール構造化に位置づき、 時間の流れを 視覚化して 見通し(predictability)を担保する。 表象段階は 具体物→写真→線画→文字と移行し、抽象度を個別に調整する。

中核課題は活動間の トランジション(移行)終わりの明確化(finished concept)が遂行機能を補い、 予定変更の伝え方は見通しの再構築として設計する。 自発的確認を促す PECS等のコミュニケーション支援とも補完関係にある。

療育アプローチ③ アセスメントと連携

  • 表象段階のマッチングを 定期的に再評価し段階を更新
  • ST連携:絵カードを 要求・選択の表出手段へ発展させる
  • OT連携:移行時の 覚醒・感覚調整と提示量を併せて検討
  • 個別支援計画に提示形式・終了手段・変更時手順を明記
  • 家庭・学校へ 同形式のスケジュールを般化させる視点