一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
SSTは「人とのかかわり方を練習する時間」
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
SSTとは、友だちや大人との「かかわり方」を、安心できる場で練習する時間のこと。
あいさつ・順番待ち・「貸して」と言う――こうしたことは、自然に身につく子もいれば、
少しずつ練習すると伝わりやすくなる子もいます。
縄跳びや自転車と同じで、見て→やってみて→「できたね」と言ってもらうを
くり返すうちに、だんだん自分のものになっていきます。
見せる▸
やってみる▸
できたね!▸
本番でも
療育アプローチ① 家庭でも「できたね」を
まずは うまくいった瞬間に気づいて言葉にすることから。
- 「貸してって言えたね」とその場ですぐ声をかける
- 大人がお手本を見せてから一緒にやってみる
- うまくいかなくても責めず、もう一回を楽しむ
- ごっこ遊びで「お店やさん」など場面を練習
LEVEL 2
SSTは4つのステップで進む
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
練習の4ステップ
① お手本(見せる)
良いやり方を大人や友だちが実演。「こうするんだ」を目で見て理解。
② 練習(やってみる)
安全な場で実際にやってみる。役を決めた小さな場面で繰り返す。
③ ほめる(伝える)
できた部分を具体的に言葉で返す。「どこが良かったか」を明確に。
④ ひろげる(本番へ)
練習を日常の場面へ。家庭・学校でも使えるよう橋渡しする。
読み替えの視点:「お友だちを叩く」は、
「かして」が言えないサイン。困った行動を未習得のスキルとして捉え直す。
療育アプローチ② 小集団と施設での実装
- 体操6コースの順番待ち・応援を自然なSST場面に
- ぴょんぴの床色ゾーニングで「待つ場所」を視覚化
- TEACCH構造化で「いつ・誰と・どこまで」を見える化
- 達成できる小さな1スキルに絞り、成功体験を積む
- 個別支援計画に「般化させたい場面」を具体的に書く
LEVEL 3
認知行動的基盤と般化の設計
専門職・心理/ST連携/次へつなぐ
理論的背景と他アプローチとの関係
Social Skills Trainingは、Banduraの社会的学習理論を基盤に、
モデリング→行動リハーサル→フィードバック→
般化(generalization)の手続きで構成される認知行動的介入である。
学習した行動が訓練場面に留まる般化の壁が最大の課題。小集団での
社会的場面の練習を、自然文脈へ計画的に転移させる必要がある。評価には
SSIS・Vineland-II(適応行動)等を用いる。
ABAの行動形成、PEERS等の構造化プログラムとも接続し、
言語面はSTと語用論の視点を共有する。
療育アプローチ③ 般化と多職種連携
- 訓練場面→家庭・学校への計画的な般化を支援計画に明記
- ST連携指標:語用論・会話のturn-takingの未熟さ
- 心理連携:自己評価・不安の高さは認知面からも評価
- Low Arousal設計:刺激を抑えた小集団が学習効率の前提
- 誤解への対処:「型の暗記」ではなく文脈で使える力を育てる