一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
Floortimeは「子どもの世界に入って一緒に遊ぶ」関わり方
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
Floortimeは 大人が床におりて、子どもがいま夢中なことに一緒に乗っかる 遊び方です。
こちらの課題をやらせるのではなく、子どもがリードする遊びに大人が応える ことで、
気持ちのやりとりを育てます。
車を並べているなら「次はこれ?」と1台わたす。やりとりが 行って・返って とつながっていきます。
子どもがする
大人が気づく
乗っかって応える
子どもが返す
療育アプローチ① 関わりの土台をつくる
家庭でも 「教える」より「一緒に楽しむ」 を大切に。
- 子どもと同じ高さ(床)に座り、目線を合わせる
- 子どもが選んだ遊びに大人がそっと加わる
- すぐ手伝わず、子どもの「次」を待つ間(ま)をつくる
- うまくできた瞬間より やりとりが続いたこと を喜ぶ
LEVEL 2
DIRは「発達・個人差・関係性」の3つで子どもを見る
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
子どもを見る3つの窓
D 発達段階
注意の共有・愛着・双方向のやりとりなど、情緒の発達がどこまで育っているか。
I 個人差
感覚の感じ方・運動・処理のクセ。この子に合う刺激量と関わり方。
R 関係性
安心できる大人との情緒的な交流。やりとりが生まれる土壌。
読み替えの視点:「反応が薄い」のは拒否ではなく
関わりの入口を探しているサイン。やりとりが途切れたら、こちらの誘い方を一段やさしくする。
療育アプローチ② 施設での実装
- 個人差:Low Arousal設計で刺激を絞り、関われる状態を整える
- 関係性:ボールプール・スカーフ等、子ども主導で楽しめる体操コースを活用
- 子どもが始めた遊びを 大人が「広げて返す」 ことを意識する
- ぴょんぴくれよんの床ゾーニングで「一緒に遊ぶ場所」を視覚的に安心化
- 個別支援計画に 「やりとりの往復数」 という目標を置く
LEVEL 3
情緒発達を基盤に置く関係性ベースの介入モデル
専門職・OT/ST連携/次へつなぐ
理論的背景と他アプローチとの関係
DIRモデル(Developmental, Individual-differences, Relationship-based)は
精神科医 Stanley Greenspan らが提唱した発達理論で、
その中核技法が Floortime である。情緒の発達段階を土台に据える点が特徴。
鍵概念は 情緒的交流 と サークルオブコミュニケーション
(やりとりの開始と応答が一巡する単位)。子ども主導で大人が応答し、
この円環の数と複雑さを積み上げることを介入指標とする。
ABAが行動を直接形成するのに対し、DIRは関係性の中で発達を引き出す。
感覚統合(個人差の評価)とも親和性が高く、補完的に用いられる。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- 情緒発達段階(共同注意→双方向→象徴遊び)で 現在地を評価
- OT連携:感覚プロファイルで「個人差(I)」の処理特性を把握
- ST連携:前言語的な やりとりの往復 を言語表出の土台と位置づける
- Low Arousal設計はDIRの「I」=感覚調整の前提条件として根拠を持つ
- 誤解への対処:Floortimeは 放任ではなく意図的な応答 の連続である