一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
行動の「前」と「後」を見ると、理由がわかる
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
機能分析とは、こまった行動の「わけ」をさがす 考え方です。
行動だけを見るのではなく、その前に何があったかとその後どうなったかを
セットで見ると、子どもが何を伝えたいのかが見えてきます。
おやつ前にぐずるのは「おなかがすいたよ」のサイン。
行動はいつも 「前 → 行動 → 後」 のつながりの中にあります。
前(きっかけ)▸
行動▸
後(どうなった)
療育アプローチ① わけをさがす目を持つ
「なんで?」と叱る前に、前後を思い出してメモするだけで見えてきます。
- 行動の 直前のできごと を思い出す
- 行動の あと、何が起きたか を見る
- 「わざと」ではなく「伝えたいこと」と捉える
- 家庭でも「いつ・どこで」起きやすいかを記録する
LEVEL 2
ABCで記録し、4つの「ねらい」を読み解く
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
行動の4つの機能(ねらい)
要求
ほしい・やりたい。「これがいい」を伝えるための行動。
逃避
やめたい・離れたい。苦手な刺激や課題からの回避。
注目
見て・関わって。大人や仲間の反応を得たい。
感覚
心地よさ・覚醒調整。その行動自体が報酬になる。
読み替えの視点:同じ「飛び出す」でも、ねらいが違えば手立ても変わる。
行動観察記録にA(前)B(行動)C(後)を分けて書くと仮説が立つ。
療育アプローチ② 記録と環境で確かめる
- A(前):時間・場所・直前の声かけや刺激を記す
- C(後):周囲の反応・本人の表情の変化を記す
- 体操6コースでの様子から 逃避か感覚か を見分ける
- ぴょんぴの床ゾーニングで「前」を整え、起きにくくする
- 叱責で対応せず ねらいに合った伝え方 を用意する
LEVEL 3
応用行動分析の枠組みと氷山モデル
専門職・OT/PT/ST連携/次へつなぐ
理論的背景と仮説検証
機能分析(Functional Analysis)は 応用行動分析(ABA) を基盤とし、
行動を 先行刺激A・行動B・結果C の随伴性で捉える。
行動の 機能 は要求・逃避・注目・感覚の4類型に集約される。
表に現れる行動は 氷山モデル の水面上にすぎず、感覚特性・理解の困難という
水面下の要因を見立てる。記録から仮説を立て環境を操作して確かめる 仮説検証 のサイクルが核となる。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- ABC記録を 個別支援計画 の目標・手立ての根拠に落とし込む
- TEACCH構造化で 先行刺激(A)を調整し予防的に整える
- Low Arousal設計=感覚機能の行動への代替環境を用意する
- 感覚要因はOT、運動課題からの逃避はPT、要求伝達はSTへ相談
- 仮説を職員間で共有し 記録→検証→更新 を回す