STAFF NOTE 68 / PART VII アセスメントと環境設計 / 3段階解説

感覚プロファイルってなあに?— かんかくぷろふぁいる/Sensory Profile —

一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。 各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1 感覚プロファイルは「感じ方のクセの地図」 小学生・保護者向け/全容ざっくり

かんたんに言うと

感覚プロファイルとは、その子が音・光・触りごこちなどをどう感じやすいかの「地図」のこと。 同じ教室でも、ある子にはうるさすぎ、ある子にはちょうどいい——感じ方は一人ひとり違います。

服のタグがチクチクして気になる子、くるくる回るのが大好きな子。 どちらも「わがまま」ではなく、感じ方のクセです。まずはどの入口が敏感かを知ることから。

光・見え方 触りごこち 動き・揺れ

療育アプローチ① 感じ方を知って整える

  • 「苦手」を叱らず、まず どの感覚か をいっしょに見つける
  • うるさい・まぶしい場所では 静かな逃げ場 を一つ用意
  • 動きが好きな子には たっぷり動ける時間 を先に
  • 家庭でも「この子はこう感じる」を家族で共有する
LEVEL 2 感じ方は「4つのタイプ」で読み解ける スタッフ・支援者向け/現場で活かす

4タイプで困りごとを読み替える

低登録(気づきにくい) 呼んでも反応薄い・ぼんやり。「無視」ではなく刺激が届きにくいサイン。
感覚探求(もっと欲しい) 動き回る・触りたがる。「落ち着きがない」ではなく刺激を求めるサイン。
感覚過敏(強く感じる) 音や接触を嫌がる。「神経質」ではなく刺激が強すぎるサイン。
感覚回避(避けたい) その場を離れる・隠れる。「逃げ」ではなく自分を守る工夫のサイン。

療育アプローチ② 行動観察と施設運用

  • 行動観察記録に「いつ・どの感覚で・どう反応したか」を残す
  • 体操6コースを観察の場に:ボールプール=探求、スカーフ=過敏の確認
  • ぴょんぴの床長尺シート色ゾーニングで過敏な子の落ち着く範囲を可視化
  • 過敏タイプには Low Arousal設計(照明・音・視覚刺激を減らす)
  • 探求タイプには 動の時間を先に 配置し静の活動へつなぐ
LEVEL 3 Dunnの感覚処理モデルと評価・連携 専門職・OT/ST連携/次へつなぐ

理論的背景と評価尺度

Winnie Dunn(1997)の感覚処理モデルは、 神経学的閾値(高い/低い)と行動反応(受動的/能動的)の2軸で 4象限=低登録・感覚探求・感覚過敏・感覚回避を定義する。

標準化評価には Sensory Profile(乳幼児版・SP-2)や、日本で開発された JSI-R(日本感覚インベントリー)を用いる。 感覚調整は 感覚統合理論(A.J. Ayres)と地続きで、OTの介入計画と直結する。

療育アプローチ③ アセスメントと連携

  • SP-2/JSI-R結果を 個別支援計画 の環境調整目標へ翻訳
  • 閾値理論で物理的構造化を設計:過敏児ほど 刺激を引き算 した空間に
  • OT連携指標:感覚調整障害の疑い・姿勢/協調との重なりを評価依頼
  • ST連携:聴覚過敏が言語入力を妨げていないかを併せて確認
  • 家族・学校と 感覚プロファイルを共有 し環境の一貫性を保つ