一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
ゾーニングは「場所ごとの役割を分ける」こと
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
ゾーニングとは、「ここは何をする場所か」を場所ごとに決めて分けること。
食べる場所・遊ぶ場所・休む場所がはっきり分かれていると、
子どもは 見ただけで「次に何をすればいいか」 がわかって安心します。
ごはんの席でおもちゃが散らかっていると落ち着かないように、
場所と役割がそろっていると心も整います。
あそぶ
べんきょう
たべる
やすむ
療育アプローチ① おうちの場所を分ける
- 遊ぶ場所と寝る場所を マットやラグ で分ける
- 食事は いつも同じ席 に決めておく
- 「ここは静かにする場所」を1つつくる
- 片づけ箱の置き場所を決めて見えるようにする
LEVEL 2
空間が「いま何をする時間か」を語る
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
ゾーンを設計する4視点
役割(する活動)・境界(区切り方)・動線(移動の流れ)・刺激量の
4つで空間を読み解きます。困った行動は「ゾーンが曖昧なサイン」と読み替えます。
気づきたい場面:
- 遊びゾーンで急に走り出す=境界が見えていないサイン
- 移動のたびに混乱する=動線が交差しているサイン
- 集中が続かない=刺激が多すぎるゾーンのサイン
療育アプローチ② 施設での実装
- ぴょんぴの床長尺シートを色で分け、活動ゾーンを足元から明示
- 体操6コースは マット・フープ でコースの境界を見える化
- 入口→活動→終了の 一方向の動線 を床ラインで誘導
- クールダウン用の 低刺激ゾーン を1か所確保
- 行動観察記録に「どのゾーンで崩れたか」を必ず添える
LEVEL 3
物理的構造化・動線設計・環境評価との接続
専門職・施設設計/次へつなぐ
理論的背景と環境設計の指標
ゾーニングはTEACCHの 物理的構造化(Physical Structure) の中核で、
空間の役割分けにより「視覚的に意味が立ち上がる環境」を実現する。
床色/マーキングと仕切りで 視覚的境界 を与え、
言語指示に依存せず行動の文脈を伝える。
動線設計(Traffic Flow)は移動時の混乱・衝突を減らす設計変数で、
活動ゾーンと通過動線の分離が原則。刺激量の調整は Low Arousal Approach と同根であり、
環境評価には Sensory Profile による感覚特性の把握を併用する。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- ぴょんぴくれよんの床長尺シート色ゾーニングを物理的構造化の実装として評価
- 個別支援計画に「どのゾーンで安定/不安定か」を環境要因として記載
- OT連携:感覚過敏・覚醒水準とゾーンの刺激量を照合し配置を調整
- ST/心理連携:見通しの持ちやすさを視覚的境界の質から検討
- 誤解への対処:「区切れば良い」ではなく 個別性に基づく空間調整の総体