一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
はじめから「みんなが使いやすい」ようにつくること
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
ユニバーサルデザインとは、はじめから「だれもが使いやすい」ようにつくっておく工夫のこと。
あとから特別に整えるのではなく、最初からみんなにやさしい形にしておく考え方です。
自動ドアは、手がふさがった人も車いすの人も子どもも、みんなが同じように通れます。
こんなふうに 「だれか専用」じゃなく「みんなの当たり前」 になっているものが身近にたくさんあります。
自動ドア
絵の案内表示
広いトイレ
スロープ
療育アプローチ① 家庭でも「わかりやすく」
特別な道具より、まず みんなが迷わない見せ方 から。
- 引き出しに 中身の写真 を貼り、誰でも戻せるように
- 1日の流れを 絵や文字 の両方で示す
- 持ち物の置き場所を色やマークで 見える化
- 「言葉だけ」に頼らず、見て触れてわかる形を足す
LEVEL 2
「個別配慮」の前に「土台の使いやすさ」を整える
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
環境を点検する視点
UDは 全員に効く土台、個別配慮は その上に乗せる調整。
まず土台を整えると、特別な手立てが必要な場面そのものが減ります。
整えたい環境のサイン:
- 口頭指示が伝わりにくい→案内や手順を 視覚化
- 場所で迷う・落ち着かない→床色や仕切りで 意味を明示
- 音や光で疲れやすい→刺激量を 選べる よう調整
- 「困った行動」は 環境がまだ合っていないサイン と読み替える
療育アプローチ② 施設での実装
- 床ゾーニング:ぴょんぴくれよんの床長尺シート色分けで活動の場所を明示
- 物理的構造化:仕切り・棚で「ここで何をするか」を空間で伝える
- 体操6コース:難度を選べる設定で、全員が達成感を持てる入口に
- 行動観察記録:迷い・つまずきを環境を整える手がかりとして記録
LEVEL 3
UDの7原則・UDL・合理的配慮との接続
専門職・施設設計/次へつなぐ
理論的背景と概念整理
Universal Design は1985年、建築家 Ronald Mace(米ノースカロライナ州立大)が提唱。
公平・柔軟・単純・明快・安全余裕・省力・空間確保からなる UDの7原則 を基盤とする。
学習場面に展開した UDL(学びのユニバーサルデザイン/CAST)は、提示・行動表出・取り組みの
複数手段を前提に設計する枠組みである。
UDが はじめから全員向けに設計する のに対し、合理的配慮は
個別の必要に応じ事後的に調整する点で異なる(補完関係)。両者を重ねることで
インクルーシブ環境=誰もが使いやすい場が成立する。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- 環境評価に Sensory Profile 等を併用し感覚負荷を可視化
- UD(土台)と個別の合理的配慮を 個別支援計画 で二層に整理
- TEACCH × Low Arousal設計:構造化と刺激最小化はUDの実装形態
- OT/PT/ST連携指標:移動動線・姿勢保持・伝達手段(AAC)の使いやすさを共同点検
- 学校・地域への接続:UDLの視点で移行先にも 誰も排除しない設計 を引き継ぐ