一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
移行支援は「次の場所へのお引っ越し」を手伝うこと
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
移行支援とは、慣れた場所から次の場所へ「安心して移っていく」のを一緒に手伝うこと。
園から学校へ、学校から仕事へ──大きな変化のたびに、子どもは新しい人・場所・ルールに出会います。
引っ越しの前に新しい家を見に行くと安心するように、次の場所を前もって知ると心の準備ができます。
急がず、少しずつ橋を渡していくイメージです。
いまの場所▸
次を知る▸
少し体験▸
引き継ぐ▸
新しい場所
療育アプローチ① 安心して橋を渡る
家庭でも、変化を 「こわいもの」から「楽しみ」 に変える準備ができます。
- 進学先の写真や通学路を一緒に見て話しておく
- 「あと何回寝たら」とカレンダーで見通しを持つ
- 新しい持ち物を一緒に選び、わくわくを共有する
- 不安な気持ちも「あって当たり前」と受けとめる
LEVEL 2
移行には「予告・体験・引き継ぎ」の3拍子がいる
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
3つの局面と気づきたいサイン
① 予告
次に何が起きるかを早めに視覚化。見通しで不安を下げる。
② 体験
事前訪問・お試し参加で「初めて」を「2回目」に変える。
③ 引き継ぎ
強み・配慮・好きを次の場所へ。情報をつなぐ。
気づきたいサイン:年度末・就学前に落ち着かない/退行のように見える行動は、
多くが 変化への不安のサイン。本人を責めず、移行準備の合図として読み解く。
療育アプローチ② 施設での運用
- サポートブックに強み・苦手・対応のコツをまとめ、本人・家族と一緒に作る
- 3施設(にじ・あとりえ・ぴょんぴ)間の移動も、写真と連携シートで引き継ぐ
- 体操6コースでの様子を就学先と共有し、得意な動きを伝える
- 保護者面談で「次の場所への希望」を早めに一緒に整理する
LEVEL 3
縦の連携と自己決定を軸にしたトランジション
専門職・多職種連携/次へつなぐ
制度的背景と理論
移行支援=トランジションは、人生の節目(就学・進学・就労)で支援を断絶させない
縦の連携の思想。相談支援専門員を中心に、
サービス等利用計画と 個別の教育支援計画を接続させる。
就学では 就学支援シート、就労期は 障害者就業・生活支援センターや
ジョブコーチへ。中核に置くのは 本人の自己決定であり、
意思決定支援(SDM)の視点で「本人が選ぶ」プロセスを保障する。
療育アプローチ③ アセスメントと連携
- 環境変化への準備を計画化:移行の6か月〜1年前から逆算してスケジュール
- サポートブックを 本人主体で更新し、自己理解・自己決定の教材にする
- OT/PT/STの所見を移行先へ:感覚・運動・コミュニケーションの配慮を引き継ぐ
- 家族を「情報の提供者」でなく 移行チームの中心パートナーとして位置づける
- 移行後フォローで「合わなければ調整」を前提に、責めずに環境を整え直す