STAFF NOTE 81 / PART VIII 家族・地域・連携 / 3段階解説

虐待・要保護対応ってなあに?— ぎゃくたいたいおう/Child Protection —

一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。 各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1 子どもの安全をいちばんに、家族をひとりにしない 小学生・保護者向け/全容ざっくり

かんたんに言うと

虐待・要保護対応とは、子どもが安心して暮らせているかを大人みんなで見守り、必要なら支援につなぐ こと。 だれが悪いかを決めるためではありません。

子育てはだれにとっても大変なもの。「困っているサイン」に早く気づいて手をさしのべる ことが、 子どもと家族の両方を守ります。気になることは、こんなふうに表れます。

からだの傷 こころの不安 お世話の不足 SOSの言葉

療育アプローチ① 安心して頼れる場をつくる

  • 送り迎えのひと言で 保護者の「しんどい」 を受けとめる
  • 「気になること」は責めずに、まず一緒に考える姿勢で
  • 困ったときの 相談先(園・自治体) を家庭に伝えておく
  • 子どもには「あなたは大切」と言葉と態度で繰り返し届ける
LEVEL 2 4つの種類を知り、早く気づいて確実につなぐ スタッフ・支援者向け/現場で活かす

虐待の4つの種類

① 身体的 たたく・蹴る等。不自然な傷・あざ、衣服で隠れる部位に注意。
② 心理的 暴言・無視・きょうだい間差別。表情の硬さや過度な顔色うかがい。
③ ネグレクト 食事・衛生・受診・養育の不足。空腹・不衛生・欠席の続き。
④ 性的 年齢に不相応な言動・接触。デリケートに、独断で動かない。

大切な姿勢:「確証」を待たず、気づいた段階で組織として動く。 通告は罰ではなく、子どもと家族を支援につなぐ入口です。

療育アプローチ② 施設での運用と連携

  • 体操6コースの着替え場面は 傷・あざに気づける 観察機会
  • 気づきは 事実のみを記録(日時・部位・本人の言葉)
  • ひとりで抱えず 管理者へ即共有し組織で判断
  • 3施設(くれよん/あとりえ/ぴょんぴ)で 連携シートを共有
  • 保護者対応は責めず「最近いかがですか」と労いから入る
LEVEL 3 通告義務と地域連携で「家族ごと」支える 専門職・多職種連携/次へつなぐ

法的枠組みと地域連携

児童虐待防止法は身体的・心理的・ネグレクト・性的の4類型を定義し、 虐待を受けたと 思われる 段階での 通告義務(児童相談所・市町村)を全国民に課す。 通告は確証を要さず、子どもの最善の利益を守る入口に位置づく。

地域では 要保護児童対策地域協議会(要対協)が中核となり、 児相・自治体・園・医療・福祉が 守秘義務を保ちつつ情報を共有。 早期発見記録の精度が、その後の 関係機関連携の質を左右する。

療育アプローチ③ 記録・倫理と多職種連携

  • 事実と所見を分け、客観的記録を時系列で残す体制づくり
  • 要対協ケースは 個別支援計画に支援機関の役割を明記
  • OT/PT/STの所見も 子どもの安全最優先の観点で共有
  • 保護者面談は断罪を避け、養育の 強みと負担を共に整理
  • サポートブックで家庭・関係機関に 一貫した関わりを引き継ぐ