一つのテーマを レベル1(やさしく全容)/レベル2(深く実践的に)/レベル3(専門的・次へつなぐ) の3段階で。
各レベルに 療育的アプローチ を併記し、概念と現場をつなぎます。
LEVEL 1
守秘義務は「あずかった話を大切にしまっておく」約束
小学生・保護者向け/全容ざっくり
かんたんに言うと
守秘義務とは、お子さんやご家族からあずかった話を、勝手にほかへ伝えない約束のこと。
記録は、その大切なお話やお子さんの様子を 「忘れず・正しく」残しておくノートです。
安心して話せるのは、「ここで話したことは守られる」と信じられるから。
必要なときだけ、ご家族の「いいですよ」をもらってから関係する人に共有します。
あずかる
大切にしまう
同意をもらって共有
療育アプローチ① 安心して話せる場をつくる
- 面談で「ここでのお話は守られます」と最初に はっきり伝える
- 送迎やフロアなど 他の人に聞こえない場所で込み入った話をする
- 記録は お子さんの強みや育ちも一緒に書きとめる
- ご家族から「これは内緒にして」と言われたことを大切に扱う
LEVEL 2
記録は「事実」と「解釈」を分けて書く
スタッフ・支援者向け/現場で活かす
SOAPで整える観察記録
S 主観(言葉)
本人・家族が語ったこと。「マットが楽しい」等を そのまま。
O 客観(事実)
見えた行動・回数・場面。誰が読んでも同じ 事実を。
A 評価(読み)
支援者の 解釈・見立て。事実とは行を分けて書く。
P 計画(次へ)
次の支援・連携・家族への共有事項。
療育アプローチ② 施設での運用
- 事実と解釈を分ける:「乱暴」ではなく「友だちを2回押した(事実)/刺激過多のサインかも(解釈)」
- 体操6コースの観察を 連携シートに集約し、3施設で見立てを共有
- 共有前に 同意の範囲を確認(誰に・何を・どこまで)
- 記録・端末は 施錠保管/持ち出さないを徹底
- サポートブックは ご家族が主役。書く内容を一緒に決める
LEVEL 3
法令・専門職倫理・情報共有の根拠
専門職・多職種連携/次へつなぐ
制度的・倫理的背景
支援記録は 個人情報保護法上の要配慮個人情報を含み、
利用目的の特定・第三者提供の制限・安全管理措置が求められる。
連携時は 情報共有の同意(誰に・何を・目的)を文書で取得し、
本人・保護者の 開示請求権にも応えうる記述とする。
記述は SOAP 等で 事実と解釈を分離し、評価語・断定を避ける。
各専門職の 守秘義務(社会福祉士・公認心理師等の信用失墜行為の禁止・秘密保持義務)と
専門職倫理が基盤となり、児童虐待防止法上の 通告義務は
守秘義務より優先される(通告は罰ではなく、子どもと家族を支援につなぐ入口)。
療育アプローチ③ 記録設計と連携の視点
- 同意書・連携シートに 利用目的と提供先を明記し更新する
- 個別支援計画は 開示前提で、本人・家族が読める言葉で記述
- OT/PT/STとの共有指標:観察事実・頻度・環境要因を構造化して伝える
- 要保護対応は 子どもの最善の利益を最優先し、家族を断罪せず支援へつなぐ
- 退所・進学時は同意の上で 引き継ぎ記録を整え、支援の連続性を守る